宮野真守主演のアニメ映画「人間失格」 原作との違いと共通点は?
先日、2019年に公開予定のアニメ映画「人間失格」のキャストやストーリーなどが発表されましたね。
「人間失格」といえば、太宰治さんの作品で日本人なら知らない人がいない?くらい有名な小説です。
今回は「人間失格」の主人公大庭葉藏にスポットをあてて、アニメ映画と原作の違いと共通点を自分なりに考えまとめてみました。
原作の「人間失格」の主人公と内容は?
原作の「人間失格」は「はしがき」、「第一の手記」、「第二の手記」、「第三の手記」、「あとがき」があり、それぞれ自分の体験談を語った内容となっています。
その中でも、「第二の手記」の冒頭に出てくる『恥の多い生涯を送って来ました』が有名で、大庭葉藏は他人とは全く違う感覚をもっており、それ故に人とまともに会話が出来ず、自分をさらけ出すことも、自己弁解も出来ない不安定な生き方をしていきます。
この「人間失格」の意味はなんでしょうか?
大庭葉藏は小さい頃から人間関係に悩み続け自分を表現できず、その結果酒、薬、女に溺れ、しまいには病院送りになるということを振り返り、「人間失格」と表現したかったと思います。
アニメ映画「人間失格」の内容と主人公は?原作に沿ってる?
アニメ映画「人間失格」のあらすじは、昭和111年の東京。人々ははナノマシンとネットワーク管理により病や傷の手当を必要とせずに、120歳の寿命が保証されていた。
しかし、その管理から外れると人間が異形の怪物に変態する、「ヒューマン・ロスト(人間失格)」現象だった...という内容で始まります。
作品の発表では、原作の「人間失格」を大胆にアレンジを加えたアニメ映画と言っていましたが、内容は原作とかなりというか全く違う内容ですねぇ。
同じところは「昭和」だけでしょうか。
木崎監督のコメントは「近代古典文学『人間失格』をSFエンタテインメント作品として再構築する』と述べているので、いい意味で原作をアレンジした挑戦的な作品だと思います。
しかし、主人公の大庭葉藏の最初の人物像は、薬物に溺れ怠惰な暮らし送る...との設定で、自分自身がすごく不安定なところは、原作の大庭葉藏と似ているのではないでしょうか?
原作の大庭葉藏は幼少期から人付き合いが苦手で、違う自分を装って本当の自分を出すことに不安と恐怖感を抱いて生きている。
この不安と恐怖感の二つの感情は原作とアニメで共通している部分だと思います。
でも、このまま薬物に溺れ廃人のようになっていくとは考えにくいですね。
どのようにアニメ映画「人間失格」の大庭葉藏は成長していくのか?公開が待ち遠しいです!
アニメ映画「人間失格」は原作を読んで違いを楽しんで欲しい!
このように原作の「人間失格」と大胆にアレンジしたアニメ映画「人間失格」。
アニメ映画「人間失格」が公開される前に一度、太宰治さんの「人間失格」を読んでから観る事をオススメします。
読書なれしていないと難しい作品ですが、主人公の大庭葉藏の生き様、昭和の世界観などを読ん知っておくだけでも映画を観た時に違う発見があるかもしれません。
また、実写版の映画でも9月13に公開予定があり、小栗旬さんが主演されます。この作品は原作化したものではなく、フィクション作品ですが...
映画にアニメ作品と幅広く題材にされる「人間失格」。一度は観てみたいものです。